今回から新しい単元【文字と式】に入ります。
中学数学からは、a、b、x、y、zなどの文字を使って式を作ったり、方程式を解いたり、とにかく文字を使って考えることが非常に多くなります。
これまでの数学では実際の数を計算することが多かったので、いきなり「文字」と聞くと拒絶反応を示してしまう子もいると思います。
でも大丈夫、それが普通です笑
自分もそうでした。なんで数学なのに文字使う必要があるの?って感じです
でも、数学の勉強を進むと気づくんですね。文字で考えることの大切さや必要さを。
それは勉強を進めながら感じてくれたらいいので、今は「必要なものなんだ」となんとか踏ん張って下さい!
文字を使った式
「なんで文字を使う必要があるの?」という思う子がたくさんいると思うので
まずは、数学で文字を使うとこんなに便利なんだよ!ということを知ってもらおうと思います!
下の図のように、マッチ棒を規則的に並べていくことを考えましょう。
それぞれの状態を①〜⑤としました。





最初の状態(①)でマッチ棒を3本使用して三角形を作ります。その後、マッチ棒を2本使って三角形をどんどん増やしていきます。(②〜⑤)
それぞれの状態(①〜⑤)とマッチ棒の本数、増えた三角形の個数を表にまとめました。
最初の三角形は数えないことに注意してください!
状態 | マッチ棒の本数 | 増えた三角形の個数 |
① | 3本 | 0個 |
② | 5本 | 1個 |
③ | 7本 | 2個 |
④ | 9本 | 3個 |
⑤ | 11本 | 4個 |
最初の状態①のとき、マッチ棒を3本使いました。その後、最初に作った三角形の横につなげる形で、マッチ棒2本を使って三角形を増やしていきました。
三角形が1つ増えるたびに、使用されるマッチ棒は2本ずつ増えることが分かります。
増えた三角形の個数とマッチ棒の本数の関係は次のように表せます。
(マッチ棒の本数)=3+2×(増えた三角形の個数)
4個三角形が増えたとし、(増えた三角形の個数)に4を入れてみましょう。
(マッチ棒の本数)=3+2×4=11 11本になります。
上の表でチェックしてみると、増えた三角形の個数が4個のとき、マッチ棒の本数はたしかに11本になっていますね。
お待たせしました。文字の登場です。
(増えた三角形の個数)を文字aで表すことにします。
すると、マッチ棒の本数は次のように表せます。
(マッチ棒の本数)=3+2 × a
これで、aに好きな数字を入れるだけで必要なマッチの本数が分かるようになりました!
そんな状況があるのか分かりませんが、三角形を100個作りたいとき、マッチの本数を知る必要がありますね。最初の三角形を含めて100個なので、増えた三角形の個数は99個ですね。
先ほどの式のaに99を入れてみましょう。
(マッチ棒の本数)=3+2× 99=3+198=201 となります。
三角形を100個作るためには、201本のマッチ棒が必要であることが分かりました!
このように、文字を使って考えることで、「三角形を100個作りたい!」というような、具体的な状況に応用することができるのです!
どうですか?少しは文字の便利さを分かってもらえたでしょうか?
少しずつでいいんです。少しずつ文字に慣れて、文字の必要性を分かってください!
文字を使う練習
マッチ棒を使って三角形を作るときに、どのように文字を使うかを学びました。
もう少し、文字の使い方に慣れるため、いろいろな問題に取り組んでみましょう。
一緒に解いていくので大丈夫ですよ😄
【問題1】1個120円のドーナツをx個買います。
(1)代金を文字xを使って表しなさい。
(2)ドーナツを6個買うとき、代金はいくらになるか?
具体的にドーナツをイメージしてみましょう。

ドーナツを1個買うごとに、代金は120円ずつ増加していくことがイメージできているでしょうか?
ドーナツ1個につき、代金が120円増加するという部分がポイントです。
ドーナツを文字xでおくと、代金は(代金)=120 × xで表せますね。
(かけ算の×と文字xを見間違えないように!)
よって、(1)の答えは120 × xです。
(2)は簡単ですね。ドーナツを6個買うということは、xに6を入れるということです。
120 × 6=720 答えは720円です。
問題を見たときに、実際にドーナツを書くなど、具体的な状況をイメージすることが大切です。
【問題2】1個x(g)の品物4個をy(g)の箱に入れたときの全体の重さを文字x、yで表しなさい。
さあ、この状況がイメージできているでしょうか?実際にこの状況をノートに書いてみましょう!

↑1個x(g)の品物(○)が4つ、y(g)の箱に入っている様子です。
全体の重さは、品物4つと箱を合わせた重さなので
(全体の重さ)=4x+y が正解です!
合っていましたか?
【補足】文字を使うときは、文字なのか単位なのかを明確にする必要があります。この問題のように、グラムやメートルのような単位には( )をつけて区別してあげましょう。
【問題3】縦がa(cm)、横がb(cm)の長方形がある。この長方形の面積と周の長さを文字aとbで表しなさい。
縦がa(cm)、横がb(cm)の長方形がイメージできていますか?
もう図はかきません!
長方形の面積の公式は (面積)=(縦の長さ)×(横の長さ)でしたね。
今、縦の長さがa、横の長さがbなので
(面積)=a × b が正解です。
周の長さはぐるっと一周長さを足してあげればいいですね。(縦+横+縦+横)
(周の長さ)=a+b+a+b=2(a+b)
分配法則を使って2でまとめてあげたら完璧です!
どうでしたか?
何かを文字で表すときは状況を理解するために絵や図をかいてみることがとても大事です!
「分からない!」となったらまず何か書いてみましょう。
次回は、数学で文字を使うときのルールについて詳しく学びます!
お疲れ様でした!
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